元公務員が語る市役所の出世部署ランキング【2023年3月時点】

公務員の実情

市役所に入って初めて異動することになりました。

将来は課長、部長と出世できるように頑張るぞ!

ところで新しい部署は、出世しやすいのかな?

まなぶくん
まなぶくん

新しい部署に異動するのですね。

市役所部署によって給料の差はありませんが、どの部署に配属されているかで出世コースに乗っているかを判断できますよ。

私は市役所に12年9カ月間勤務して、出世している職員が経験している部署を実際に見てきたので、市役所の出世部署ランキングを紹介します。

この記事を読むと、市役所出世しやすい部署とその特徴がわかります。

自分が出世コースに乗っているかが気になる方、これから市役所に就職する方は是非ご覧ください。

この記事を読んでわかること
  • 市役所出世部署の特徴
  • 市役所出世部署ランキング
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市役所には出世しやすい部署が存在する

あなたは市役所に勤務していおり、今自分がいる部署出世しやすいのか気になっているのですね。

市役所部署によって給料の差はありませんが、出世をして役職に就くと給料面でも差が出てきます。

筆者は市役所に10年以上勤務し、その中で部長や課長などの幹部職員と接する機会がありました。

幹部職員の経歴を見ると共通して経験している部署があったため、市役所には出世しやすい部署が存在していると考えられます。

出世部署の特徴

それでは出世しやすい部署には、どのような特徴があるのでしょうか?

出世しやすい部署の特徴を3つ紹介するので、自分が勤める市役所に当てはまる部署があるのか考えてみましょう。

市役所の出世部署の特徴
  1. 権限がある
  2. 全体の調整を行う
  3. 重点施策を行う

権限がある

1つ目の特徴は「権限がある」ことで、人事や予算など他部署に関する事項を決定する権限がある部署です。

具体的には、財政課や人事課が当てはまります。

全体の調整を行う

2つ目の特徴は「全体の調整を行う」ことで、市役所全体や部の取りまとめなどの調整を行う部署す。

具体的には、企画調整課や秘書課が当てはまります。

重点施策を行う

3つ目の特徴は「重点施策を行う」ことで、市の目玉事業を担当する部署です。

目玉事業は市によって異なるため一概には言えず、例えば農業振興に力を入れているのであれば農業振興課、新しく子供向け施設を作るのであれば児童施設準備室が出世部署という形になります。

市役所出世部署ランキング

出世部署の特徴を説明したので、実際にどこが出世部署なのかを説明します。

市役所に12年9カ月の勤務経験のある元地方公務員が、市役所出世部署ランキングを紹介します。

なお例えば、農業振興が重点施策の場合は最高評価又は高評価となり、市役所によってこのランキングと異なるためご了承ください。

Aランク(出世コース間違いなし)最高評価
財政課、人事課、企画調整課、秘書課、国・民間企業への出向
Bランク(出世コース)高評価
総務課、各部の総務課、議会事務局、広報課、商業振興課、DX課、市民活動推進課、契約課、都市計画課、都道府県への出向
Cランク(出世コースではないが、昇進は可能)平均評価
教育委員会、農業振興課、文化課、防災課、監査委員会、選挙管理委員会、市民病院関連、児童・子育て関連、市民課、市民税課、納税課、固定資産税課、会計課、消費生活課、公園管理課、農業委員会
Dランク(出世からは少し遠い低評価?
年金課、国民健康保険課、後期高齢者医療、高齢介護課、障害福祉課、住宅課、上水道課、道路関連、環境関連、コロナ関連
Eランク(左遷コースかも)最低評価?
支所(出張所)、公民館、図書館、生活保護課
※市によって差があります。

Aランク(出世コース間違いなし)

最高評価

財政課、人事課、企画調整課、秘書課、国・民間企業への出向

Aランクは出世コース間違いなしで、部長や課長の多くが経験している部署が当てはまります。

どこも激務ではありますが、出世コースに乗っていることは間違いありません。

財政課

市の予算を司る部署で、お金に関する絶大な権限を持ちます。

財政課の承認を得なければ、予算がつかないため事業が遂行できません。

それ故に部署の管理職との調整の機会が多く、幹部職員から名前と顔が覚えてもらいやすいです。

また市役所ではお金に関する事務を経験していない職員が多く、予算や決算などの事務を遂行できる職員が少ないです。

そのため財政課を経験していると予算や決算などの事務を遂行できるため、財政課経験後にどの部署に配属されても高い評価を得やすいです。

月100時間を超えることもある激務ですが、幹部職員に名前を覚えられて汎用性のあるスキルを身に付けられるため、最も出世しやすい部署と言えます。

人事課

市の人事を司る部署で、ヒトに関する絶大な権限を持ちます。

職員の人間関係や恋愛話などの裏事情を知ることになるため、口の堅い職員でなけれな務まらないでしょう。

また人事ヒアリング時には部長や課長と直接話すことがあるため、幹部職員から名前と顔が覚えてもらいやすいです。

さらに各職員の評価を把握し、誰をどこに配属するかを決められるため、市役所で最も権限を持つ部署と言えます。

一度人事課に配属されると、Bランク以上の部署に配属されていることが多いです。

企画調整課

市の政策を司る部署で、事業計画の全体調整を行う部署です。

政策を取りまとめるため、市長や副市長と直接やり取りを行うことが多く、市のトップから名前と顔を覚えてもらえます。

市長や副市長の意向を反映して政策的な判断を行うため、強い権限を持つと言えます。

秘書課

市長や副市長のスケジュール調整などの秘書業務を行う部署です。

容姿が良い職員が配属されやすく、容姿の系統が似た職員が揃うため、その時の市長の好みがわかります。

きめ細やかな対応が求められるため、人当たりが良く敵が少ない職員が配属される傾向にあります。

市トップの直属部署なため、権限は強いです。

国・民間企業への出向

市の代表として出向させるため、外部に出しても恥ずかしくない職員が選出されます。

特に財務省や総務省などの中央省庁、独立行政法人や金融機関などの民間企業といった市の上位機関への出向は出世コース間違いなしと考えられます。

上位機関で貴重な経験を積み、その経験を市で還元してほしいと期待されているため、出向後は財政課や企画調整課などAランクまたはBランクに配属されます。

Bランク(出世コース)

高評価

総務課、各部の総務課、議会事務局、広報課、商業振興課、DX課、市民活動推進課、契約課、都市計画課、都道府県への出向

BランクもAランクには劣りますが、出世コースです。

総務課

文書管理、議案の取りまとめや条例の制定など市全体の取りまとめを行います。

事務の全体的な調整を行うため、多くの職員に顔と名前を覚えてもらえます。

法律知識を要するため、法学部経験者が配属されやすいです。

各部の総務課

教育総務課(教育委員会)、水道総務課(水道部)など各部の取りまとめ部署が当てはまります。

部全体の調整を行うため、部内では顔を覚えてもらいやすいです。

特に教育総務課は教育委員会全体の取りまとめを行い、各部の総務課では最も調整範囲が広いため、出世しやすい部署と考えられます。

議会事務局

政務活動費や議事運営など議員のお世話をする部署です。

議員と接する機会が多く、議員と揉めると市政運営に支障が出るため、人当たりの良い丁寧な職員が配属されます。

広報課

市の広報誌発行やホームページの運営を行う部署です。

各部署からの情報発信を取りまとめるため、多くの職員に顔と名前を覚えてもらえます。

商業振興課

企業支援や花火大会などのイベントを行う部署で、事業内容に面白みがあるため、希望する職員が多いです。

飲み会など地元企業との交流が多いため、社交的な職員が配属されます。

DX課

市役所内の業務システム管理やIT化の推進を行う部署です。

DX(デジタルトランスフォーメーション)化やシステム標準化などの対応が求められているため、近年は重要度が増しています。

IT企業経験者や情報関連の学部を卒業している職員が配属されやすいです。

市民活動推進課

町会や姉妹都市との交流を促進する部署です。

地元有力者との話す機会が多いため、人当たりが良く礼儀正しい職員が配属されます。

契約課

入札や大型の契約を行う部署です。

大きなお金が動き、不適切な契約は許されないため、迅速に正確に業務遂行できる職員が配属されます。

都市計画課

都市計画の策定など街づくりの根幹を担う部署です。

街づくりに係る部署と調整を行うため、街づくりに係る部署の職員に顔と名前を覚えてもらえます。

都道府県への出向

国よりは劣りますが、市の上位機関である都道府県への出向も出世コースで、出向後はBランク以上の部署に配属されることが多いです。

Cランク(出世コースではないが、昇進は可能)

平均評価

教育委員会、農業振興課、文化課、防災課、選挙管理委員会、市民病院関連、児童・子育て関連、市民課、市民税課、納税課、固定資産税課、会計課、消費生活課、公園管理課、農業委員会

Cランクは出世コースではありませんが、昇進自体は可能な部署です。

教育委員会の学校教育関係の部署は、いじめや不登校など注目度が高い問題を扱うためBランクに近いです。

また児童・子育て関連も力を入れている自治体が多いため、Bランクに近いと言えます。

その他にも自治体施策に当たる部署はAランクに入ることがあるので、自分が勤務する市役所ではどうなのか考えてみてくださいね!

Dランク(出世からは少し遠い)

低評価?

年金課、国民健康保険課、後期高齢者医療、高齢介護課、障害福祉課、生活保護課、住宅課、上水道課、道路関連、環境関連、コロナ関連

Dランクは激務な割には、出世からは少し遠い部署です。

コロナ関連は発足当初にはタフで比較的優秀な職員が集められていましたが、業務委託化が進みルーティン業務になっているため、出世が見込まれる職員は今後配属されないと考えます。

Dランクには窓口業務やルーティン業務を行う部署が中心なのでストレスは多いですが、業務の難易度自体は高くないです。

一方で市民からのクレームが多く、ストレスから病休を繰り返す職員もいるため、平均的に業務をこなせる職員への負担が大きくなる傾向にあります。

低評価とはしていますが、「課の中心として支えてほしい」と期待を込めて配属されていることもあります。

Eランク(左遷コースかも)

最低評価?

支所(出張所)、公民館、図書館

Eランクは残念ながら左遷の可能性がある部署です。

いわゆる出先機関と言われる部署市政への影響が少ないため、優秀な職員が配属されにくいです。

ただし卒なく仕事をこなしていれば、異動して昇進している職員もいるため、悲観的に捉え過ぎないようにしましょう。

出世が全てではない

市役所には出世コース間違いなしの部署が存在します。

最高評価

財政課、人事課、企画調整課、秘書課、国・民間企業への出向

財政課や企画調整課などの部署に配属されているのであれば、市役所の中で高い評価を得ていると自信を持って良いでしょう。

一方で出世部署は激務ですが、その他の部署と給料面での差がないため、割に合わないと感じる職員が多いことも事実です。

筆者の周りにいた、財政課を経験している優秀な職員は割に合わないと感じて昇進試験を受けず、自ら出世の道を断っていました。

出世は仕事で高い評価を得ている証なので素晴らしいことですが、「出世=人間として偉い」わけではありません。

たとえ高評価ではない部署に配属されても真摯に業務を取り組み成果を上げれば、希望する部署に配属されるチャンスが訪れるでしょう。

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