
転職先が決まりました。
ところで現在勤めている市役所を退職する時期は、いつが良いのだろう?
年度途中での退職は、欠員が出るため今の職場に迷惑かな…

転職おめでとうございます!
退職のタイミングは人それぞれですが、公務員を退職するおススメの時期ベスト3を紹介します。
この記事を読むと、公務員の退職に適した時期とその理由がわかります。
これから公務員を退職しようと考えている方、退職時期について悩んでいる方は是非ご覧ください!
- 退職までに必要な日数
- 公務員を退職するおススメの時期
- 転職先が退職まで待てる期間
最短2週間で退職可能

今あなたは、転職先が決まり公務員を退職しようと考えているのですね。
勤務する都道府県庁や市役所を退職するためには、退職届(退職願)を提出しなければなりません。
それでは、いつまでに退職届(退職願)を提出しなければならないのでしょうか?
民法627条では、「雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。」と定められています。
そのため、退職2週間前までに退職届を提出すれば有効となります。
就業規則を必ず確認しよう

公務員は、法律上最短2週間で退職できることがわかりました。
しかし、市役所や県庁の就業規則には退職に関る規定があるため、事前に確認をしておきましょう。
参考に、八王子市役所の就業規則を紹介します。
(退職)
第18条 職員は、退職しようとするときは、特別の事由がある場合を除き、退職しようとする日の30日前までに、退職願を提出しなければならない。
八王子市役所の場合は、「退職日の30日前までに退職願を提出しなければならない」と定めれています。
しかし、就業規則よりも民法が優先されるため、退職日まで30日未満であっても2週間前までであれば退職は可能です。
とは言っても就業規則を守らないと円満に退職できず、退職後良好な関係を築けないので、必ず就業規則を守るようにしましょう。
公務員を退職するおススメの時期ベスト3

退職に当たり、勤務先の就業規則の確認が必須であることがわかりました。
ところで公務員を退職する時期は、いつが望ましいのでしょうか?
公務員を退職するおススメの時期ベスト3とその理由を紹介するので、参考にしてくださいね!
3位 6月
3位は6月で、その理由はボーナスを貰えるためです。
公務員のボーナスには、「期末手当」と「勤勉手当」の2つあり、6月と12月に支給されます。
これら2つの支給要件は条例で定められているため、参考にさいたま市の条例を紹介します。
(期末手当)
第27条 期末手当は、6月1日及び12月1日(以下この条から第29条まで及び附則第32項第3号においてこれらの日を「基準日」という。)にそれぞれ在職する職員に対して、それぞれ基準日の属する月の規則で定める日(次条及び第29条においてこれらの日を「支給日」という。)に支給する。
(勤勉手当)
第30条 勤勉手当は、6月1日及び12月1日(以下この条及び附則第32項第4号においてこれらの日を「基準日」という。)にそれぞれ在職する職員に対し、基準日以前6月以内の期間におけるその者の勤務成績に応じて、それぞれ基準日の属する月の規則で定める日に支給する。
さいたま市役所の場合は、「期末手当」と「勤勉手当」は6月1日と12月1日に在職している職員に支給されます。
つまり、5月31日以前に退職をした場合は、6月分のボーナスは貰えないということです。
転職後の最初のボーナスが満額支給されることが少ないので、6月分のボーナスを貰える6月1日以降に退職する方が良いと言えます
。
その反面、6月に退職すると翌年3月まで長期間の欠員となり、今の職場の方への負担が大きいというデメリットがあるので、覚えておきましょう。
2位 12月
2位は12月で、その理由は3つあります。
ボーナスを貰える
1つ目の理由が「ボーナスを貰える」ことです。
既に説明したように、12月1日に在職していると12月分のボーナスを貰えます。
ボーナスは公務員として頑張った成果なので、出来るだけボーナスを受け取ってから退職してください。
給与差額を貰える
2つ目の理由が「給与差額を貰える」ことです。
公務員の給与は、人事院勧告に基づいて決定されます。

そもそも「人事院勧告」って何だ?

第三者機関の人事院が、国会と内閣に国家公務員の給与など
勤務条件の必要な見直しを求める制度です。
人事院が国家公務員と民間の給与を調査し、公務員と民間の給与水準を
均衡させるようにしています。
人事院勧告は毎年8月頃に行われ、都道府県庁や市役所もその勧告に基づいて
給与などの見直しを行っています。
令和4年度の人事院勧告を確認してみましょう。

- 民間給与との差0.23%を解消するため、初任給と若年層の給料を引き上げる(令和4年4月1日から)
- ボーナスを0.1月分引き上げる
つまり、令和4年度の人事院勧告は「公務員の給与とボーナスを引き上げなさい!」ということです。
人事院勧告の後は、毎年11月頃に国家公務員給与の改正案が国会で可決され、国家公務員の給与とボーナスが引き上がります。
その後(毎年12月頃)に、都道府県庁や市役所(自治体ごとに)の議会でも可決され、地方公務員も反映されるという流れになります。
それでは、給与差額はどれくらい貰えるのでしょうか?
(例:国家公務員3級職10号 東京23区勤務(地域手当20%)) 独身
1 給与
改正前:238,400円
改正後:240,400円
→2,000円(差額)×1.2(1+地域手当)×9月(4~12月分)=21,600円
2 ボーナス
240,400円(基本給)×1.2(1+地域手当)×0.1月(差額)=28,848円
21,600円(給与差額)+28,848円(ボーナス差額)=50,448円(合計)
(※ 4~12月に残業している場合はさらに加算されます。)

5万円ってなかなか大きいなぁ!
支給時期は毎年12月中旬から下旬頃なので、12月に在職していれば給与差額を貰えます。
上記のとおり少ない金額ではないので、出来るだけ給与差額を受け取ってから退職しましょう!
今の職場への負担が小さい
3つ目の理由が「今の職場への負担が小さい」ことです。
6月に退職すると、翌年3月までの長期間の欠員となるため、今の職場への負担が大きいという説明をしました。
しかし12月退職の場合は、欠員期間が3カ月間と短い期間となるため、職場への負担は小さくなります。
とは言っても欠員期間があるため、今の職場の方への心遣いを大切にしてくださいね!
1位 3月
1位は3月で、その理由は2つあります。
退職金を多く貰える
1つ目の理由が「退職金を多く貰える」ことです。
3月に退職すると6月分のボーナスは貰えませんが、他の月で退職するよりも退職金を多く貰えます。
(勤続期間の計算)
第七条 退職手当の算定の基礎となる勤続期間の計算は、職員としての引き続いた在職期間による。
2 前項の規定による在職期間の計算は、職員となつた日の属する月から退職した日の属する月までの月数による。
6 前各項の規定により計算した在職期間に一年未満の端数がある場合には、その端数は、切り捨てる。ただし、その在職期間が六月以上一年未満(第三条第一項(傷病又は死亡による退職に係る部分に限る。)、第四条第一項又は第五条第一項の規定により退職手当の基本額を計算する場合にあつては、一年未満)の場合には、これを一年とする。
国家公務員退職手当法を確認すると、在職期間が1年未満の端数がある場合は切り捨て退職金を計算すると規定されています。
具体的な例を挙げてみましょう。
(例:国家公務員4級 基本給272,500円 (3級職3年 2012年4月入職 自己都合退職)
1 2023年 12月退職(在職期間11年で計算)
基本額:2,025,372円
調整額:675,150円
2,025,372円(基本額)+675,150円(調整額)=2,700,522円(合計)
2 2024年 3月退職(在職期間12年で計算)
基本額:2,226,0852,025,372円
調整額:715,800円
2,226,085円(基本額)+715,800円(調整額)=2,941,885円(合計)
※ 国家公務員の退職金の計算にて算出
入職12年目の国家公務員が、12月と3月に退職した場合を比較すると、241,363円の差があります。
在職期間3か月の差で、1カ月相当分の給料は大きいですよね。
退職金は在職期間が長いほど大きくなるため、長期間在職してた公務員ほど3月に退職した方が良いと言えるでしょう。
今の職場に欠員が発生しない
2つ目の理由が「職場に欠員が発生しない」ことです。
30代になると係長など重要なポジションを任されるため、年度途中に退職すると職場への負担が大きくなります。
しかし都道府県庁や市役所の人事異動は、原則毎年4月1日に行われるため、退職時期を3月にすれば欠員が発生しない状態で退職できます。
職場への負担が最小限になるため、3月に退職することが望ましいと言えるでしょう。
繁忙期は避けよう

繁忙期に退職することは、絶対に避けてください。
忙しい時期に退職すると、今の職場への負担が大きくなってしまいます。
転職先へ入社時期を相談するなど職場への心遣いを怠らず、退職後も円満な関係を築けるようにしましょうね!
内定から3カ月以内に入社しよう!

公務員を退職するおススメの時期は3月、6月、12月と紹介しましたが、転職先の企業は待ってくれるのでしょうか?
リクナビNEXTでは、内定から1~3カ月以内に入社することが一般的と言われています。
退職希望時期がある場合は、「入社希望日から逆算して転職活動を始める」、「転職面接時に入社希望日を伝える」などの対応が必要です。
退職希望日に拘り、内定が取り消されたら元も子もないため、内定から3カ月以内に入社するようにしましょう。
筆者の場合

筆者は、35歳の時に12月31日付で12年9カ月間勤務した市役所を退職しました。
退職時点で係長であったため、職場の方への負担は大きかったと思います。
しかし繁忙期は過ぎ、退職日の2カ月前に周知して引継ぎを十分行えたため、職場の方も筆者を応援してくれて円満に退職できました。
また12月分のボーナス、給与差額を貰えたので、金銭的にも満足しています。
転職先でも活躍出来るように

公務員として忙しい日々を過ごす中、一生懸命転職活動して獲得した内定。
どうせなら円満に今の職場を退職し、気持ち良く新天地に行きたいですよね。
一番大切なことは、転職先であなたが活躍することです。
あなたが納得できる時期に退職し、新しい職場で存分に力を発揮できるようにしましょう!
コメント