
4月から新しい部署に異動することになりました。
市役所には色々な部署があるけれど、激務部署だったらどうしよう…

市役所は部署によって忙しさが全く違いますからね…
私は市役所に12年9カ月間勤務し、5つの部署を経験しました。
市役所の実情を身をもって実感しているので、市役所激務部署ランキングを紹介します。
この記事を読むと、市役所の楽な部署と激務の部署がわかります。
異動先の部署が気になる方、これから市役所に就職する方は是非ご覧ください。
- 市役所の激務部署ランキング
- 激務部署に配属された時の対応
市役所は部署によって、忙しさに大きな差がある

市役所は部署によって、忙しさに大きな差があります。
楽な部署なら定時に業務を終了し、有休も自由に取得できます。
しかし忙しい部署に配属されると有休をほとんど取得できず、月100時間を超える残業をしているのが実態です。
実際に筆者は激務部署で月間120時間の残業をし、有給も年間で4日間しか取得できなかった経験があります。
世間からは「市役所職員は定時帰り。有休取得し放題」という楽なイメージを持たれています。
しかし激務部署に配属されると、ブラック企業も顔負けの労働環境なので、市役所は楽な職場ばかりではないのです。
市役所激務部署ランキング

市役所には、ブラック企業顔負けの激務部署があると説明しました。
それでは、どこが激務部署なのでしょうか?
市役所に12年9カ月間勤務した経験のある元公務員が、市役所激務部署ランキングを紹介します。
筆者の経験を基に、以下とおり5段階でランキングを構成しました。
なお例えば、農業振興が重点施策の場合は激務となり、市役所によってはこのランキングと異なるためご了承ください。
Aランク(残業なし)楽 |
支所(出張所)、年金課、公民館、図書館 |
Bランク(残業、ストレスが少ない)普通 |
防災課、議会事務局、監査委員会、固定資産税課、会計課、消費生活課、都市計画課、上水道課、公園管理課、農業委員会、道路関連、環境関連、選挙管理委員会 |
Cランク(残業、ストレスあり)少しきつい |
総務課、企画調整課、広報課、市民課、市民税課、納税課、高齢介護課、商業振興課、DX課、市民活動推進課、契約課、文化課、住宅課、農業振興課 |
Dランク(残業、ストレスが多い)激務 |
秘書課、人事課、教育委員会、国民健康保険課、後期高齢者医療、生活保護課、市民病院関連、コロナ関連 |
Eランク(心身崩壊するかも)超激務 |
財政課、障害福祉課、児童・子育て関連 |
Aランク(残業なし)

支所(出張所)、年金課、公民館、図書館
Aランクは基本的に残業がなく、ワークワイフバランスを充実させやすい部署です。
支所(出張所)
本庁の出先機関として、多岐に渡って窓口業務を行います。
しかし複雑な業務は本庁で行うため、支所(出張所)で行う業務は基本的な手続きの受付をする程度です。
また苦情対応はありますが、最終的な判断は本庁で行うことが多いため、次の日に仕事を持ち越すことはほとんどありません。
基本的に残業がなく、有休を取得しやすいため、配属を希望する職員が多いです。
年金課
国民年金を担当する部署で運営は国が行うため、市で行う業務は年金加入や免除の申請などの受付に限られています。
4月は転出入が多く、それに伴い市民対応が多くなりますが、4月以外の時期は落ち着いています。
また市の裁量が少ないことから、煩雑な業務や議会対応が少ないため、業務の難易度は高くないです。
苦情対応はありますが、基本的に残業がなく有休も取得しやすいため、ワークワイフバランスを充実させられます。
Bランク(残業、ストレスが少ない)
防災課、議会事務局、監査委員会、固定資産税課、会計課、消費生活課、都市計画課、上水道課、公園管理課、農業委員会、道路関連、環境関連
Bランクは残業、ストレスが少なく、ワークワイフバランスを保ちやすい部署です。
防災課
東日本大震災や台風災害などで、以前よりも忙しくなりました。
しかし防災計画の策定など一定の業務はあるものの、災害時以外は落ち着いています。
災害時は激務ですが、普段は残業が少なく有休も取得しやすいため、Bランクとしました。
議会事務局
議事運営を行う「議事進行課」と政務活動費や議長随行を行う「庶務課」に分かれます。
他課では議員と敵対することもありますが、議会事務局と対立すると議員活動に支障が出るため、議員も議会事務局員に対しては友好的に接してきます。
議会開会時や政務活動費の実績報告時に残業することがありますが、基本的に残業が少なく有休も取得しやすいです。
固定資産税課
固定資産の評価や税額を決定する1~3月上旬は残業が多いですが、その他の時期は基本的に定時で帰れます。
また固定資産を所有している市民が多くないため、他の税部署と比べると事務量が少ないです。
4~12月であれば有休を取得しやすく、仕事を覚えればルーティン業務のため、税部署の中で唯一Bランクとします。
Cランク(残業、ストレスあり)

Cランクは月45時間以上の残業があったり、ストレスがそれなりにあったりする部署となります。
総務課、企画調整課、広報課、市民課、市民税課、納税課、高齢介護課、商業振興課、DX課、市民活動推進課、契約課、文化課、住宅課、農業振興課、選挙管理委員会
総務課
市役所全体の文書管理、議案の取りまとめや条例の制定、情報公開など業務は多岐に渡ります。
法律知識を要する複雑な業務を担うため、優秀な職員が配属される傾向にあります。
条例施行準備期の3月や議会準備の時期などは残業が多いです。
企画調整課
市の分析や中長期計画の策定を行います。
残業はそれほど多くありませんが、市長や副市長などの特別職との調整が多いため、ストレスが溜まりやすいです。
市の方針を決める部署のため、将来の幹部候補の非常に優秀な職員が配属されます。
広報課
広報紙の発行やシティプロモーションを行います。
市長が情報発信に力を入れている場合、直前での紙面の刷新や新たなプロモーションを求められたりすることもあります。
政治的な調整が必要なこともありますが、業務の進め方が確立されているため激務とまでは言えません。
市民課
住民票や戸籍謄本の発行などを中心に行い、元々は比較的楽な部署でした。
しかしマイナンバー制度が始まり、マイナンバーカードやマイナポイントなどの業務に伴い、業務量、苦情ともに増えています。
マイナンバー制度が落ち着けば業務量は減る見込みですが、現時点で今後の見通しは不明です。
市民税課
住民税の課税業務を行う1~5月はかなり忙しく、月80時間程度の残業を行うこともあります。
しかしそれ以外の時期は残業がなく、有休も取得しやすいです。
法令で決まっている業務を行うため、仕事を覚えてしまえばルーティン業務となります。
繁忙期以外は落ち着いており、仕事の難易度は高くないためCランクとしました。
納税課
固定資産税や住民税の納税業務を行います。
滞納者に対して差し押さえをする場合もあるため、客層は悪く怒鳴られることも多々あり。
精神的には辛いですが、ガンガン残業をして差し押さえることはしないため、有休は取得しやすいです。
高齢介護課
介護保険料、要介護認定、介護事業者対応など高齢福祉関係の部署です。
介護保険料の引き上げも検討されているため、今後は苦情が増える可能性があります。
高齢化に伴い年々業務量が多くなり、残業は増加傾向であるため限りなくDランクに近いです。
商業振興課
市のイベント、中小企業支援、経済政策などを実行します。
イベントや地元企業との付き合いで、休日出勤や残業が多くなってしまいます。
しかし市役所の中では面白みのある業務内容で、「楽しかった」と話す経験者が多い人気がある部署です。
Dランク(残業、ストレスが多い)

秘書課、人事課、教育委員会、国民健康保険課、後期高齢者医療、生活保護課、市民病院関連、コロナ関連
Dランクは月60時間以上の残業があり、ストレスも多い激務部署です。
秘書課
市長や副市長のスケジュール管理、随行を行います。
市長の公務に随行するため、休日出勤や残業が多くなってしまいます。
何かと気を遣うためストレスも多く、プライベートな時間を過ごしにくいです。
人事課
職員の人事を行うため、将来の幹部候補の非常に優秀な職員が配属されます。
普通は知りえない人事情報を知れるため、職員とも一定の距離を感じてしまいます。
市民からの苦情、ハラスメント対応など業務は多岐に渡り、残業が多く有休も取得しずらいです。
教育委員会
いじめ問題、教師の働き方改革、学校施設建て替えなど課題が多岐に渡ります。
議会質問も多いため、議会中は残業しながら経常業務を行っています。
残業が多く、クセの強い教員の対応もあるため、ストレスが多いです。
国民健康保険課
制度自体が複雑で改正も多いため、職員市民ともに混乱をしやすい状況です。
さらに客層が悪く、市民からの苦情が多く、メンタルを病む職員も続出しています。
日中は窓口・電話対応に追われるため、必然的に残業が多くなります。
後期高齢者医療
団塊の世代が後期高齢者になったことにより、事務量が一気に増えました。
客層は75歳以上のため、制度を説明しても理解できず、窓口・電話対応が長引くことが多々あります。
事務量、対応数ともに増加しているため、残業が多くストレスが多いです。
生活保護課
客層が悪く、ハードクレームが多いため、精神的に辛くメンタルを病む職員も続出しています。
市民対応のストレスが大きく、真面目に仕事に向き合うと残業も増えます。
しかし1人で業務を完結でき、業務量の調整が可能なため、比較的有休は取得しやすいです。
市民病院関連
市民病院はどこも赤字で経営が厳しく、病院会計の事務は煩雑です。
また市によっては経営問題により、政治的な圧力もあるため大きなストレスを抱えます。
クセの強い医師との日程調整を要する業務があるため、有休も取得しずらいです。
コロナ関連
感染者対応やワクチン接種を行います。
事業開始当初は月200時間を超える残業を行っていましたが、現在は業務委託化が進み少し落ち着いてきました。
今後はさらに落ち着き、業務自体がなくなると考えます。
Eランク(心身崩壊するかも)超激務

財政課、障害福祉課、児童・子育て関連
Eランクは月100時間以上の残業があり、心身が崩壊してもおかしくないレベルの超激務部署です。
財政課
市の予算を司るため、将来の幹部候補の非常に優秀な職員が配属されます。
予算編成時は月100時間を超える残業をし、市全体の予算を決定するため複雑な調整が必要です。
課長級の要求を断ることも多々あるため、ストレスも業務量も多い超激務部署と言えます。
障害福祉課
障害者の中には権利主張が強い方もいて、窓口対応に苦慮します。
制度が複雑なので市民、職員ともに混乱をしており、どの法律を適用すれば良いのかを決定するのに多大な時間を要しています。
日中は事務処理が進まないため、残業や休日出勤が多く、ストレスが多いです。
業務量は非常に多く、クセの強い市民対応もあるため、最も配属されたくない部署と言われています。
児童・子育て関連
少子化対策として新たな施策が次々と行われているため、業務量は膨大です。
保育園、学童保育、児童手当、ケースワーカーなど業務は多岐に渡るため、現行の人数では対応できず月100時間を超える残業は珍しくありません。
市役所で最も配属されたくない部署の一つと言えます。
本当に辛い時は相談しよう

もし激務部署に配属されてしまったらどうしたら良いでしょうか?
市役所職員は地方公務員法第三十二条により、命令に従う義務があります。
(法令等及び上司の職務上の命令に従う義務)
第三十二条 職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。
よって、人事異動の命令は拒否できません。
まずは、無理せずに働いてみましょう。
もしかすると自分にはピッタリの仕事かもしれません。
それでも、本当に辛くて耐えられないようであれば、上司や人事課に相談しましょう。
過去に異動希望に応じなかったことで千代田区に賠償判決が出た判例があるため、相当の理由がある場合は別の部署に異動できます。
仕事は人生を豊かにするための手段

たとえ激務部署に配属されたとしても、早ければ2~3年で異動できます。
仕事が全てではないので、重く捉えるのはやめましょう。
とは言っても、仕事は人生を豊かにするための手段です。
どうしても今の部署や市役所自体が合わないようであれば、転職も選択肢の一つです。
もしかすると、今よりもあなたにピッタリの仕事が見つかるかもしれません。
人生は一回きりです。
人生を豊かにするために、自分の信じる道を突き進みましょう。
コメント
年金にいたことがある者です。
確かに、業務は少なかったですが、その分、メンバーが、悪く、イジメが横行していて、大変でした。
イジメが辛すぎて、課長と相談し、2年で異動しました。